
このコーナーでは、サピックスをはじめとした大手塾のテストに関する事柄をまとめております。
サピックスのテスト傾向は?
マンスリー・復習・組分けテストには以下のような傾向が見られます。
①断定はできないが、物語文の記述問題には背景的要素の説明に数点(3~4点くらい)の配点がある。これは素材文の背景をおさえることを徹底するサピックスの国語指導方針にも通じる。
②説明的文章、文学的文章共に初見の文章が出題される。
以前(かなり昔の話ですが…)のマンスリーテストにおいては、A・Bの各テキストから一題ずつ既習の素材文が出題される決まりがございました。
次第に、初見の文章で試す実力テストに変化していき、まずはBテキスト(国語Bの授業で使用する、長文と記述問題のテキスト)と同一の素材文が使用されなくなりました。さらには二題ともに初見の文章が出題されるようになり、言語要素を除き、完全な実戦的なテストに変更されるに至りました。ただし、2024年の時点でも、復習テストに限っては、一度国語Bで扱った既習の文章が出題されることがあるようです。
冒頭の言語要素の大問(1・2あたり)に配置される問題は、Aテキストや「言葉ナビ」から出題されます。
③説明的文章がやや短め、文学的文章が長い傾向にある。(一般的な入試の形態と同じ)
※開講時からの出題傾向は今でも大きく変わりません、ただし、大問三に短めの文学的文章が配置、長い説明的文章が大問四に配置されることもあり、変則的な出題も見受けられます。2018年度からテスト用紙の体裁がB5判の横組みから同サイズの縦組みに変更されました。
サピックスオープン(A+B)でBの偏差値が急落した
Bタイプは偏差値の揺れやすいテストです。平素から培った国語の総合的な力は言うまでもなく大切なのですが、特に記述表現力(情報発信するときの意識があるか、点数を取る設計や言葉の工夫ができるか)で大幅に偏差値が揺れてしまいます。マンスリーで60以上取っているお子様が、突然40台をとることはめずらしいことではないように感じます。また、マンスリーで50くらいに安定してきたなと思っていたら、Bタイプは20~30台といったお子様もよく見てまいりました。本文の理解度は良くても、わかりやすく丁寧に表現する心がけ、表現する技術が不十分であるとこのような結果になることがあります。視点を変えて補足するなら、Aタイプが説明的文章、Bタイプが文学的文章と出題されるジャンルが異なることも一因であると考えられます。
いずれにせよ、もどってきたテストで新たな弱点を発見して適切な対策を行なうことで、状況改善することが可能です。
コロナ禍での四谷合不合
会場受験と自宅受験のいずれかから選択できます。偏差値の算出は会場受験者のみの母集団で行なったうえで、自宅受験者は自宅で解き終えた解答用紙を送信し、母集団のデータをもとに個別に成績データを出すという方式になっているようです。
データ送信は会場試験が行なわれた日程よりも後でも受け付けてくれるので、学習が遅れているお子様は、日程をずらして提出することも可能です。その期間においても母集団の実力は上がり続けるであろうと思われるため、時間差から正確なデータを得にくくなりますが、学習の進み具合を見ながら提出時期を考えるのも一案です。
グノーブル
月例テスト(GnoRev)はサピックスのマンスリーを意識した作りになっており、保護者会では「最高レベルの作問をしている」とのお話があったそうです。しかし、テストの種類、実施回によって異なると思われますが、たとえば、5年生の月例テストを拝見したところ、説明的文章の素材がサピックスに比べるとやや短く、記号問題が平易な印象を受けました。ぬき出し問題も素直でした。しかしながら、文学的文章においては長い記述問題が3題出題されており、この点に関してはサピックスのマンスリー・組分けよりもハードであるのを感じます。記述の苦手なお子様にとっては手ごわいテストと言えるのかもしれません。